オンラインで修士号を取得した人のブログ How I got MPH

仕事をしながら修士号を取得したことをまとめたブログです。2015年8月にUniversity of Liverpool Master of Public Health course に合格。2018年12月に卒業。

オンライン大学院に通って、できるようになったこと/思ったよりできないこと

オンライン大学院の授業が始まって、丸2年が経とうとしています。

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始めて1年のときに、メリットデメリットという形でオンライン大学院について振り返ってみました。

オンライン大学院:1年経過してわかったメリット・デメリット - オンラインで修士号を取ろう!The Road to Get MPH

 

大学院を始めて2年経った今回は、オンライン大学院に通って、できるようになること/思ったよりできないことを書いていきます。

書いていたら、長い文章になってしまいました。

 

できるようになったこと

  • ライティング
  • リーディング
  • 解くべき課題の抽出
  • 統計に関する記述の読解
  • 未来志向

思ったよりできないこと

  • 統計を使って研究をデザインすること
  • 早く書くこと
  • 公衆衛生を語ること
  • 運動

 

できるようになったこと

ライティング

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2週間に最低2本の500 wordsの文章を、2年間書きました。書いて書いて、書いて書いて、たくさん書きました。

英語で文章を書くことを継続して実感したことは、以下です。

  • 課題の切り分けがうまくなった
  • 主なメッセージの抽出できるようになった
  • introduction, body, conclusionでの文章をすんなり書けるようになった

これは、仕事にも活きています。会議やメールで、目的を明確にできるようになり、簡潔に前提や背景を共有できるようになりました。

 

リーディング

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2週間に最低2本の500 wordsの文章を書くためには、2週間で10本以上の論文には目を通します。PDFをiPadに取り込んで、旅行中も読んでました。

「そんなにたくさん読んでる暇ないよー!」と思う方もいるかもしれませんが、基本的には、abstract と results の部分を読めば良いです。

この経験で、大切な部分をササっと読む力がつきました。

これも仕事で活きていて、会社のドキュメントに目を通す力が付き、探し物もgoogleを使ってラクに調べられるようになりました。また、まとめやabstract を意識してメールを書くようになり、相手の返信がスムーズになった気がします。

 

解くべき課題の抽出

ここが一番「できるようになった」ことです。

大学院ではいつも research questionについて考えます。論文を読んでても、これは何の課題に対する答えを出そうとしているのかについて考えます。レポートやエッセイを書くときも、何かしらのquestion から文章を始めることが求められています。

考える癖がついたことで、仕事においてもメリハリをつけて仕事ができるようになりました。仕事の目的を明確にしてから作業を開始するようになりました。

 

統計に関する記述の読解

統計についても、平均・中央値に始まり、カイ2条分析、ロジスティック回帰分析などを理解できるようになりました。

サンプリングについても、真面目に調査されたものと、あるもので賄ったなーというものの区別がつきます。

また、有意差を求める必要がある場面とそうでない場面も見分けもつけられます。おかけで、仕事で「これは有意なの?」と訊かれても、「この文脈で検定する意味はあまりないと思います」と言えるようになりました。

 

未来志向

大学院を通じて、未来についてたくさん考えるようになりました。

世の中にはまだ解かれていない課題がたくさんあります。

アカデミックにおける1つの到達点であるPh.D(博士号)は、世界の境界線を少しだけ広げているものと言われています。

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(参照:http://life-science-project.com/908/ )

私が学んでいるのは、修士号のための学問ですが、多くの論文を読み、多くのレポートを書くことで、世界の境界線を見ることができるようになります。

研究以外で自分も世界の境界線をちょっとでも押し広げようと思うようになりました。

 

思ったよりできないこと

統計を使って研究をデザインすること

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統計に関する記述を読めるようにはなります。

大抵の論文に書かれていること(公衆衛生関連)は、なにを伝えたいか理解できます。ただ、理解できることとできるようになることは別です。

統計は思ったり難しく、サンプリング手法、解析手法、分析の種類など挙げればきりがなく、適切な統計手法を独りで選べるほどの知識は、このオンラインのプログラムでは身につきませんでした。

 

早く書くこと

書くことは得意になります。文章構造も意識するようになり、言い回しもうまくなります(このブログは・・・、いつも殴り書きですいません)。

ただ、考えられるようになるので、スピードはあまり上がってない気がします。上手に書けることと、早く書けることは別だと認識しました。

 

公衆衛生を語ること

公衆衛生の修士号というのは、スタートに過ぎません。それぞれ専門分野に分かれていて、それぞれのPh.Dがあります。

つまり、そう簡単に「公衆衛生とは、〜である」と理解し、人に伝えることはできません。

このまま大学院を卒業して、名刺の後ろに、MPHと書けるようになっても、ちょっと気がひけるような気がしています。(MBAを持っている人でも、経営を語れない人もいる、のと一緒かもしれません。)

 

運動

f:id:massy535:20170924004323j:plainできることなら、運動がしたい。

ただ、仕事行って、大学院の勉強して、家では家事をして、なにより妻と娘との時間は何より大切です。そうするとどうしても運動がおざなりになってしまう。

わかってはいるけど、僕には運動の時間がどうしても取れませんでした。大学院を終えたら、定期的にジムに通いたいなー。

 

まとめ

できるようになったこと

  • ライティング
  • リーディング
  • 解くべき課題の抽出
  • 統計に関する記述の読解
  • 未来志向

思ったよりできないこと

  • 統計を使って研究をデザインすること
  • 早く書くこと
  • 公衆衛生を語ること
  • 運動

オンライン大学院は良いものです。ただ、それなりの代償はつきものです。

2年を振り返って、良いことの方が多かったと思っています。

いつも殴り書きですいません(2回目)。

ちゃお!